今宿五行歌会（光）

今宿タイムズ

■今宿五行歌会（光）

「オバアチャーン」と
抱き付く重みを
受け止める
支え切れない日の
来るを思いつつ
　　　　　　　　　　　井上　房子

カーテンをあけると
飛び込む
春の光
これも歌の心と
受け入れる
　　　　　　　　　　　のぎたえいほ

戦後七十年
阪神大震災二十年
大きな節目の年
平穏な一年を願って
暦を捲（めく）る
　　　　　　　　　　　倉光園江

肌寒い早春の朝の光が
梅園の白い花びらを
透かして通り抜け
冬との別れ際を
演出している
　　　　　　　　　　　柴田　恭輔

大きな　樹に出会うと
そっと　ふれてみたくなる
私は　樹を見上げ
樹は　私を見下ろす
二つの生命の中で何かが流れる
　　　　　　　　　　　神田　弘子

親の七光りか　副社長に
傲慢な態度と口が災いして
会社を首になった
ナッツ事件
何事も程々に
　　　　　　　　　　　廣瀬　廣子

多くは要らない
ろうそく一本の
光が
心の中まで
明るくしてくれることもある
　　　　　　　　　　　高原美智子

陽ざしがきらめく
ビルの壁　街路樹の枝
バスの窓　歩いている人にも
きらきらと
春の光が
　　　　　　　　　　　宮島かつえ

三寒四温
満開の梅が
明るい光を浴びて
周りを
優しいピンク色に
　　　　　　　　　　　有家　寛子

電車に乗っていても
街を歩いていても
スマホとペアの人ばかり
人間社会はそっち退け
電波の向こうに誰がいる？
　　　　　　　　　　　山中　節子

光差す縁側のイス
わたしの
特等席
体にやさしいぬくもりを
太陽に感謝
　　　　　　　　　　　南　七七子

桜の開花間近
安全快適日本が誇る
北陸新幹線開業
雪国の待ちわびた人達の
喜びの明るいニュース
　　　　　　　　　　　上原　逸子

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