ひと夏の恋の花「宵待ち草」

■ひと夏の恋の花「宵待ち草」

　６月になると、荒地や道端などに見かける花で夕方７時過ぎに咲いているときは黄色の花ですが、昼間にしぼむと赤い色になる、そんな植物を見かけたことはありませんか。

　この植物は、「マツヨイグサ」の仲間で「コマツヨイグサ」と思われます。

　街路樹の道端にはもう少し大きな「マツヨイグサ」や近所の庭には「オオマツヨイグサ」やピンクの「モモイロヒルザキツキミソウ」も咲いており、全て「マツヨイグサ」の仲間です。

　この花は大正ロマンを代表する詩人竹久夢二の「待てど暮らせど来ぬ人を　宵待草のやるせなさ　今宵は月も出ぬさうな」の宵待草のことです。

　夢二が２７歳のときに千葉県房総半島に避暑旅行をしていた時に、たまたま同じ場所に来ていた女性に心を惹かれ逢瀬（ひそかに合う）を待ちました。

　翌年、再びこの地を訪れた夢二は彼女が嫁いだことを知り、いくら待ってももう現れない女性を想い、悲しみにふけって、実らぬ恋を憂う気持ちを詩にしたとのことです。

　猫を抱いた美人画「黒船屋」を始め、夢二の描いた美人画を見ながら、宵待草等の詩を読んでみるのもいいですね。

　校区の懇親会で「最近は月見草を見ないね」との話がでました。

　調べると実は月見草もマツヨイグサの仲間で、白色の花と書かれています。

　趣味のウォーキングでは種々のマツヨイグサと出会い、幸せな気分になりました。

　しかし、月見草とは未だ出会えていません。

　もっと調べて、いろんな場所に行き、月見草に会いたいな。

（C・R）

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★今宿タイムズ第407号平成28年(2016年)8月1日